ガラッ


おじさんとおばさんが驚いたように目を剥く


「 ご迷惑おかけしました…

陸が迎えに来てくれたみたいなんで、行きます 」


一食の恩と少しの間匿ってくれたお礼をきちんと言った。



「 美奈帆ちゃん、さっきの話はっッ。 」


必死に言い訳をしようとするおばさんに申し訳なく思う


「 いま出て行ったら危ないんじゃ…… 」



心配そうな眼差しをしているおじさんの方を見て

目を伏せた。



危ないどころの話じゃない


一層のこと、誰かに殺して欲しいぐらいだ。



でも……


それじゃ、おばさんたちの子供から親を奪うことになりかねないから____



階段を落ちないように、手すりをしっかりと握りしめながら

下へと降りて行った。


ピーンポーン


急かすような二度目のチャイム



いつも通り素直にしたがってたら、一番良かったんだ。


最初の時だって、お父さんたちに話さず
私が一人で耐えてたら……



同じ失敗を二度するなんて、なんて私は馬鹿なんだろ



深く息を吐いて、扉を押し開けた。



一斉に目に入ってくる、眩しい光



たくさんの人々が通りにいて、目の前の陸の顔をしっかり見て助けを訴える前に、

私は恐怖で意識を失った。