「あら、すみれ?おかえり。」


「ただいま…」





ここは…息が詰まる……


もう私はいらない存在だから



このお母さんは、本当の私のお母さんじゃない。


私のお母さんは中1の“あの日“



亡くなった…






「あらそう。ご飯出来てるわよ。」


「ごめん。まだ、要らない」



こんな会話さえ、鬱陶しく感じる。


本当は私のこと邪魔者扱いしてるくせに。

妹のことばかりで、私のことなんて見てくれない。

お父さんも、“あの日“からは私のことなんか眼中に入ってないみたい。







そりゃあそうか。全部私のせいだもん。


もしあの時私が早く電話に気づいて出てれば


楽しいままでいれたの?








ははっ、笑えるよなぁ…。


秋人君と別れた途端こんなに心が重くなるなんて…。
今までどんなに支えられてたんだろう?

いつも、いて欲しい時に一緒にいてくれて。



お母さんの時だって

『すみれのせいじゃないから。大丈夫。』

そう言って私を安心させてくれてた。


あなたの“大丈夫“に


どれほど救われただろう。







ーーーバタン

「……っう、ふっ、くっ…」


部屋に入った途端我慢なんてできなくて


涙が堰を切ったように流れた。