そして何事もなく袋詰めも終了し、帰ることになった。
「じゃ、会社に戻ります。お疲れ様です」
章が私よりも前に、アウトレット店を出た。
「原田さん、私もそろそろ直帰しますね」
翻訳作業が前倒しで終わったので、特に急ぎの仕事は無くなった。
田野畑さんも帰ると連絡があっし、とうに定時は過ぎてるので帰ることになった。
原田さんはニヤニヤしながら、私に近寄る。
「ねぇ瀬崎さん、今まで恋人1人しか居なかったんだって!ずっとその子のこと、忘れられなかったらしいよ」
「そうなんですね」
そりゃあんな別れ方されたら忘れられないだろうな、と少し胸がチクりとする。
「で、『新しい恋愛する気はないの?』て言ったら『あるんですけどねー』って」
「・・・で、何が言いたいんです?」
早くこの場を去りたい。
「『まなちゃんはどう?』って聞いたら『素敵な女性だと思いますよ』だって」
「・・・で?」
「だから大丈夫だって!うまく行くって!!」
原田さんは、完全に私達をひっつける方針らしい。
「わかりましたから、帰りますね」
私は愛想笑いを浮かべて、その場を後にした。
「あなたには支えてもらえる人が必要よ」
原田さんは私の背中に、そう言葉を投げた。
‐それぐらい知っている。
だけど・・・どうしようも、無いのだ。
痛む胸を引きずって、私は家路についた。
「じゃ、会社に戻ります。お疲れ様です」
章が私よりも前に、アウトレット店を出た。
「原田さん、私もそろそろ直帰しますね」
翻訳作業が前倒しで終わったので、特に急ぎの仕事は無くなった。
田野畑さんも帰ると連絡があっし、とうに定時は過ぎてるので帰ることになった。
原田さんはニヤニヤしながら、私に近寄る。
「ねぇ瀬崎さん、今まで恋人1人しか居なかったんだって!ずっとその子のこと、忘れられなかったらしいよ」
「そうなんですね」
そりゃあんな別れ方されたら忘れられないだろうな、と少し胸がチクりとする。
「で、『新しい恋愛する気はないの?』て言ったら『あるんですけどねー』って」
「・・・で、何が言いたいんです?」
早くこの場を去りたい。
「『まなちゃんはどう?』って聞いたら『素敵な女性だと思いますよ』だって」
「・・・で?」
「だから大丈夫だって!うまく行くって!!」
原田さんは、完全に私達をひっつける方針らしい。
「わかりましたから、帰りますね」
私は愛想笑いを浮かべて、その場を後にした。
「あなたには支えてもらえる人が必要よ」
原田さんは私の背中に、そう言葉を投げた。
‐それぐらい知っている。
だけど・・・どうしようも、無いのだ。
痛む胸を引きずって、私は家路についた。