それから2人は、よくうちに遊びに来た。

特に土日は家政婦さんが来ない日なので、よく2人はうちでごはんを食べていた。
天気のいい日は、よくみんなでピクニックへ出掛けた。


私にとっても『家族同然』の2人だったのだ。


小学校に上がると、いつも章と宿題をして遊んだ。
毎日私と、章の家を交代で行き来する。

章の家までは、うちから15分かかるが学校からは10分足らず。
章の部屋からは町を見下ろすことができて、私はこの部屋が大好きだった。

章の方は、私の部屋の方が好きらしかったけれど。
「出窓を開けるとすぐ庭だから」らしい。



正直なところ章はルックが良く、運動神経も良く、小学生ながらモテていた。


でも彼は『女嫌い』だったのだ。
私以外の女の子とは話そうもしない。

‐おそらく母親が出ていったトラウマなのだろう。


私は『家族』にカウントされていたので、側にいることを許されていたのだ。


『モテる章といつも居る女の子』
そんな私が、女子の嫉妬の対象であるのは言うまでもなかった。


結局私は友達があまりできず、いつも章と2人で遊んでいた。
この時がずっと続くと疑いもせずに・・・。