俺たちが庭の縁側に座ると‐女の子が杜若の花壇の中から隠れるようにこっちを見ていた。
警戒してているように、俺を見ている。
「エミちゃん、杜若ダメになっちゃうわよ」
ばあばが笑いながらそう言うと、慌てて飛び出て母親の後ろに隠れた。
その様子がすごく可笑しかったのを、今でも覚えている。
「エミちゃん、同い年の章くんだって。仲良くしてね」
彼女の母親がせかすように俺の前に連れてくる。
すると彼女は‐右手に持っている花を俺に差し出した。
「仲良くしてね。プレゼント」
さっきの警戒していた表情とは違って、満面の笑みで彼女は俺に笑いかけた。
彼女が差し出した花は‐杜若の花。
庭で今年1番最初に咲いた、杜若。
「どうしても『ばあば様に!!』って聞かなかったのよ」
彼女の母親はくすっと笑いながら、そう言った。
思えばこの時、母親が出ていって初めて笑えた瞬間だった。
心の氷が、ようやく溶け始めるのを感じていた。
警戒してているように、俺を見ている。
「エミちゃん、杜若ダメになっちゃうわよ」
ばあばが笑いながらそう言うと、慌てて飛び出て母親の後ろに隠れた。
その様子がすごく可笑しかったのを、今でも覚えている。
「エミちゃん、同い年の章くんだって。仲良くしてね」
彼女の母親がせかすように俺の前に連れてくる。
すると彼女は‐右手に持っている花を俺に差し出した。
「仲良くしてね。プレゼント」
さっきの警戒していた表情とは違って、満面の笑みで彼女は俺に笑いかけた。
彼女が差し出した花は‐杜若の花。
庭で今年1番最初に咲いた、杜若。
「どうしても『ばあば様に!!』って聞かなかったのよ」
彼女の母親はくすっと笑いながら、そう言った。
思えばこの時、母親が出ていって初めて笑えた瞬間だった。
心の氷が、ようやく溶け始めるのを感じていた。



