章はずっとパソコンで仕事をしている。
本当であれば、休みたくない時期だ。

私もパソコンを持って帰ってきているので、仕事はできるがやる気が起きない。
起きてからずっとソファーに座って、ただぼんやりとしているだけ。


‐とりあえず、今回は『殺人未遂』になると思う。はっきり防犯カメラに、殺意を持ってナイフを振り上げる瞬間が記録されている。

深夜の時間になる頃に、志木さんからそう連絡があった。
恐らく再犯で有罪判決になるだろうという話だ。


‐申し訳ないけど、渡辺さんのことがバレないという保証はできない。

『殺人未遂』と報道されると、私のことを探す人も出てくるだろうとのこと。
当然だろうな、とは思う。


コーヒーを入れてきた章が、私の隣に座った。
そしてゆっくり私の頭に触れる。


その瞬間‐私は心から安心する。

章の温もりを感じると、瞼が重くなってきた。
私は目を閉じて、章の膝に顔を埋める。


‐いつまでこれが続く?


今はただ章の温もりを感じながら、眠りにつく。

今はそれだけを、考えていたい。