「おはようございます」
顔を上げずに、いつも通り挨拶をする。

すると後ろから‐ふわりと懐かしい匂いがした。

「清水さん、俺の席ここでいいんですか?」

「ああ、そこでいいよ。瀬崎君」


そうして私の隣の席に座った。

(マジか・・・)


すると始業のチャイムが鳴り、「はい注目!」と部長が手を叩く。
全員起立する。

「皆さんに告知していた通り、本社から来た瀬崎章君だ。
一応、主任の肩書きになる。
渡辺さんと同い年かな?みんな、よろしく」

そう言って、彼の肩を叩く。

「瀬崎です。皆さんよろしくお願いします」

そう言って笑顔で挨拶をする。
あの頃よりも、何倍も明るい笑顔で。


‐胸がざわざわする。