黄泉の舞姫

私は怒りに任せて、手にしていた檜扇をそれに目掛けて投げつけた。

「っ!」

男は顔を歪ませて、擦り傷が残る顔をおさえて、逃げようとした。

「お待ちくださいまし!」

お姉様は止めたが、あぁ、そうよね、後の祭りだわ。

「こんなご無礼をする妹君がいらっしゃるとは。聞いておりませんでした。」

これを聞いて、私は更に気が高ぶった。
とんでもない奴である。

「ええ、そうでしょうよ。」

私は不貞腐れながら、そう言った。