悪魔の運動会



えっ⁉︎


思わず手に力が入る。


でも、でもそれは【私】じゃない。


いつの間にか、リカが私の手を握っていた。その手に力が込められたんだ。


痛いくらいに。


リカも見ている。


私と同じように、振り返った先生を見ている。


そして感じている。


リカが感じている【畏怖】が、私の体を駆け巡る。


「あ、あの__せ、___せ、先生?」


言葉が喉に絡まって、うまく出てこない。


野球部の顧問でもある新垣は、たとえ冬であろうと肌黒い。


真冬でもTシャツで授業をするくらいの、健康優良なのに。


それなのに、それなのに今は__真っ青だった。


震えながら振り返った。


捻(ねじ)ってはいけない方向に、首を力任せに捻ったように。でもその目は私を見てはいない。


まるで能面。


凝り固まった頬、半開きの口、その仮面の向こうでは、目が激しく溺れていた。


抑え込まれた感情を必死で呼び起そうとするように。


同時に。


なにかにしがみつこうとするように__。