【木崎涼子】
どうして、雨はやんでしまったんだろう?
私たちの心を折るくらい、激しく降っていたのに。
どうして、雨はやんでしまったんだろう?
私の流した涙が、消えてなくならないじゃないか。
どうして、雨はやんでしまったんだろう?
きっとそれは、走れと言っているんだ。
だから私は、直人の頬を叩いた。
「走らなきゃダメよ‼︎」
「__涼子?」
「走らなきゃダメ‼︎これまで運動会をやってきた、みんなの分まで、最後まで走るの‼︎そうしないとダメなの‼︎」
うまく言葉にできないのが、もどかしい。
でも、逃げちゃダメなんだ。
最後の最後までやり抜かなきゃ、ダメなんだ。
「間宮くんは、こんな直人を見たくないはず。相原さんだって、ガッカリするわ。立花さんも今頃、怒ってる。みんな、みんな直人に最後まで走ってほしいはず」
たとえ、どちらか1人が失格になるのだとしても。
「それが、最後まで残った私たちの___責任なの」
「責任__」
「途中で放り出すのは間違ってる。だから直人、一緒に走ろう」
そう笑って誘った。
笑っているのに、涙が止まらない。
拭っても拭っても、涙は止まらなかった__。



