【立花薫】
裕貴の顔色が変わった。
ありとあらゆる暴言を吐きながら、私の腕の中で暴れる。
凄まじい力だ。
こうやって押さえつけていられるのも、時間の問題。
でも私には、もうそれほど時間は必要ない。
「おい!分かってんのか⁉︎そんなことしたら、お前まで爆発しちまうんだぞ‼︎」
「あんたと一緒なら本望よ」
「てめぇ、離せ‼︎離しやがれ‼︎」
とうとう裕貴は、ただ1つ残っている「口」で私に噛みつこうとしてきた。
背骨を締め付けながら、上半身を引く。
すると今度は、ピタリと動きを止めた。
「マジ、俺が悪かった‼︎もうお前を追い抜かねーよ」
「あら、どういう風の吹き回し?」
「俺たち、手を組まねーか?お前となら、最強のコンビになれる」
媚びるように、私に微笑みかける。
だから私も微笑んだ。
「それは光栄だわ」
「な?そうだろ?それなら早く離してくれよ__おい、なんだよ?早く離せっつってんだろうがよ‼︎」
再び、豹変するのは、私がどんどん締め付けるからだ。
完全に身動きが取れないよう、しっかり抱き締める。
ツバを撒き散らして喚く裕貴を掴んだまま__。
「デートしましょうよ、あの世で」



