「はぁー⁉︎俺は太った女に興味はねぇよ‼︎」
力の限りに叫ぶが、薫は微笑んだままだ。
この女、一体どんな力してやがんだよ⁉︎全く動かねーじゃないか‼︎
「お前、こんなことしても勝ち目はねーからな?」
「__そうね」
「もう一周差はついているからな。それともなにか?このままこうして、俺の背骨でもへし折る気か?」
「それも悪くないわね」
冷たく言い放つ薫が、腕に力を込めた。
本気とも冗談ともつかない口調に、思わず目を見開く。
「でも、さすがにその力はないわ」
「なんだよ、ビビらすなよ」
軽く笑って、バトンを持つ手を確かめる。
胴体だけ捕まったなら、自由な両手でなんとでもなるが、腕ごと輪っかみたいに拘束され、指先が痺れ始めてきた。
まだ少し動く手を使って__バトンで突くのがいいか?
なんとかして、薫の腕を解くことができれば、すぐに地獄に落としてやるのに。
なんとかして__。
「ねぇ、もし私が今、あんたと場所を入れ替わったらどうなると思う?」
「そんなの決まってんだろうが。お前が失格になって爆発する。木っ端微塵にな」
そう言って笑ってやると、ギュッと締め付けが強くなった。
息ができないほどに。
締め付けられる。



