【野々村哲也】
ここまで予定通りだ。
俺としちゃ、間宮が持ち掛けてきた話は悪くはない。
木崎涼子に入れるつもりだったが、その涼子自身が自分に入れるのかどうかが怪しかったからだ。
自分の身に危機が迫れば、手のひらを返す。
警戒心が働かなかったわけじゃない。
間宮と相原は紅組から移ってきた。裏で組んでるかもしれない。
けど「相原を落とす」と言った間宮の目。
真剣そのものの、どこか冷たい目をしていた。
俺は木崎涼子から、相原友子に投票を変更する。
あと2票。
そのどちらも相原に__。
「野々村哲也、1票」
「へっ?」
画面を食い入るように見ると、俺の名前が頭1つ抜け出した。
どういうことか分からないまま、やがて最後の名前が呼ばれる。
「野々村哲也、1票」
と__。
「てめぇ、騙しやがったな‼︎」
隣の間宮旬の襟首を持ち上げる。
「おい、どういうことだよ‼︎説明しろや‼︎」
襟元を締め上げるも、間宮は顔色1つ変えなかった。
あの、相原を落とそうと言った時の、凍るような目で俺を見返している。
それが、全てを物語っていた。
全てを__。



