悪魔の運動会



神木と名乗った男は、唐突に僕たちに問いかけた。


「皆さんは、この日本にいくら借金があるか知っていますか?」


と。


あまりの突然の質問、それでいて必然だとでもいう自信有り気な口調に、どうして今ここに居るのかという疑問が端に追いやられていく。


そもそも、借金が幾らかなんて__?


「1071兆円‼︎」


はっきりと答えたのは、秀才の山寺正人だ。


「さすが‼︎選ばれただけのことはある。そう、約1000兆円。もうどうにもならない天文学的な数字です。そこで我々、政府は考えた。どうすればいいのか?これ以上、一体なにを削減するべきか?やがて一つの結論に至りました。それは__皆さんにかかる教育費」


神木の演説は止まらない。


「我が子を1人、大学まで出すにあたり、公立なら750万、私立ならなんと2000万を軽く越えます。しかし‼︎それだけの大金をかけても、学級崩壊に始まり、イジメに不登校。社会に出てからの犯罪者の多いこと。全くろくな大人にならない。それならいっそ、教育にかかる費用を節約する、今回、その為のプロジェクトが立ち上がったわけです‼︎即ち、未来の官僚を教育抜きで選ぼうと。頭脳、体力、そして強運の持ち主を見極めるにはどうしたらいいか?我々は考えに考え抜き、最良の策を思いついたわけです。短時間でそれら能力を見極めるその方法とは___」