【久米茜】
屋上に出ると、スナイパーが真っ直ぐに私たちを狙っていた。
失格者の私と、私の盾になっている浩二。
階段からは動物たちが迫ってくる。
もう__逃げ場はない。
迷彩服を着たスナイパーがインカムで何かを話すと、すぐにアナウンスが聞こえてきた。
私を差し出せば、浩二は助かる。もし逆らうのであれば__?
「浩二、私はもういいから」
「なに言ってるんだ⁉︎諦めるな!」
両手を広げ、私を守ってくれる大切な__仲間。いつも私の周りには野球部の男子たちがいた。ただ真っ直ぐに白球を追いかけるその姿に、自分を重ねていた。
女子には真似できない、泥臭さと汗臭さと潔さ。
少しでも役に立ちたくて始めた野球部のマネージャー。
でも私は、守られていたんだ。
もし私たちと一緒なら失格にならなかった小林健。捕まって身動きが取れない私を助けてくれた笠井周平。
そして、体を張って私を守る西川浩二。
みんなの思いが込み上げてくる。
みんなみんな、私の大好きな仲間。
「浩二__」
「大丈夫だ。俺がなんとかしてやるから‼︎」
「浩二__ありがとう」
それだけ言うと、私は飛び出した。
たくさんの思いが詰まった盾の外へと__。



