逃げ道を塞ぐようにして立っている、うさぎ。
表情だけはにこやかなのに、決して瞬きしない大きな目が、凍るように冷たい。
周平がタックルされ、失格者の茜を取り逃がした。
その目が、怒りに震えているように見える。
ゆっくり、ゆっくりと茜に近づいていた。
「くそッ‼︎」
暴れる猿の動きも抑えられない‼︎
俺が起き上がったのと、うさぎが茜に飛びついたのはほぼ同時。
バリバリ‼︎
後ろからは猿のスタンガンが伸びてくる__。
「きゃっ!」
辛うじて横から茜の腕を引くと、スタンガンはうさぎの胸を突いた。そのまま倒れるようにして猿が下敷きになる。
着ぐるみの上からでも電流が通ったのか?
その隙に教室から飛び出した。
だが、階段からライオンが上がってくる。
「こっちだ‼︎」
もう上がるしかない。
上がるしか__。
茜の手を引き、扉を開いた。
眩しい光が差し込み、緩やかな風が吹き込んでくる。
屋上に出た。
だが、俺たちを待っていたのは紛れも無い「死」だった。
戻ろうにも、動物たちが階段を上がってくる。
もう、引き返せない。
茜を背に隠し、俺は対峙をした。
今にも銃弾を撃ち込もうという、銃口と__。



