悪魔の運動会



「茜は笑顔が1番、似合う」


この笑顔を、俺が絶対に守る。


たとえこの身と引き換えにしても__。


「照れるようなこと言わないでよ」


「いや、マジで前から__‼︎」


ハッと俺たちは息を潜める。


教室のドアが勢いよく開いたからだ。


誰かが入ってきた。


バリバリという空間を引き裂く禍々(まがまが)しい音と共に、ゆっくり近づいてくる。


スタンガンだ。


抵抗する失格者たちの首に、容赦無く押し当てられる。


バリバリ。バリバリ。


確実に近づいてくる。


「茜、逃げろ」


俺は小声で耳打ちし、教壇から飛び出した。


猿が、笑っている。


「こっちだ‼︎」


注意を引き寄せるために大声を出したが、猿は動揺することもなく、ジッと俺を見ている。


バリバリ。


その左手に握られたスタンガンは、気のせいか教壇に向けられていた。


はなから、失格者ではないお前に用は無いと__。


「あ、茜‼︎」


俺は、教壇に手をかけた猿に飛びかかる。


「浩二‼︎」


「逃げろ!早く‼︎」


電気の火花が飛び散る中、パッと茜が飛び出していったが、駆けていく気配がない。


な、なにをしてるんだ⁉︎


振り返るとそこに__うさぎが立っていた。