【西川浩二】
茜の手を引いて走った。
周平の思いを無駄にするわけにはいかない。裕貴と哲也の熱い気持ちにも応えないといけない。
なにがあっても、俺が茜を守る。
失格となった健のためにも__。
パシン。
足元の砂が弾けた。
パシンパシン。
砂埃が跳ね上がる。
撃ってきた‼︎
「こっちだ‼︎」
正面から校舎に逃げ込むつもりだったが、方向転換し、紅組の教室に飛び込んだ。
校内に入ってしまえば狙われることはない。ただ、逃げ道もあるのかが不安だが。そもそも、ここから抜け出せることができるのか?
「私__」
茜が声を震わせている。
失格者だと宣告された。ある意味、絶対的な命令に背いたんだ。怖くて震え上がるのも仕方ない。
「大丈夫だ。俺がなんとかする」
「でも__」
「大丈夫だ‼︎」
そう言って、茜の両肩をガッチリ掴んだ。
そうだ、俺が不安がっている場合じゃない。俺がなんとかしなくちゃいけない。なんとか__。
「とにかく行こう。追ってくるはずだ」
茜を立たせ、教室から出ることにした。
入り口から首だけ出し、廊下に誰も居ないことを確かめようと__。
ライオンが猛然と駆け込んでくる‼︎



