悪魔の運動会



【木崎涼子】


小林健が落ちた時「なんで俺だけ?」と言った。


競技の最中も、焦がれるような視線を紅組に送っては不貞腐れてもいた。


私にも、健の気持ちが痛いほど分かる。


野球部で唯一、別組になった悔しさ。私だってふと思う。


どうして私だけ?


安藤くんと間宮くんと相原さんが同じで、どうして私だけ分かれたのか?


でもそれは仕方がないこと。だって出席簿順だ。誰かの思惑が紛れ込んでいるわけじゃない。


私は無記名投票を続ける。


それが、安藤くんへの私なりの思いだから。


離れ離れになっていても気持ちは通じ合っていると、私は信じている。


そう信じて、容赦無く襲いかかってくる孤独感と戦っていんだ。


たった2つ先の教室に居るのに、果てない距離にさえ思える。


だから、オクラホマミキサーが流れ、校庭に出るよう指示されると、私は真っ先に飛び出した。


競う相手であったとしても、彼の顔を見ることができるから。


そして彼も、1番に私を探してくれている。


目が合った。


「大丈夫か?」と口が動いた。


私は頷く。


たとえ戦う敵であったとしても、私は微笑むだろう。


ましてや、彼と踊れるというのなら尚更__。