悪魔の運動会



【相原友子】


猿が落とした蜂の巣から、住処を失った蜂たちが猛烈な勢いで向かってきた‼︎


山が自ら引くように、後ろに仰け反る。


大波を乗り越えるサーファーのように、私は重心を落とし、なんとかそれをやり過ごした。


「動くな‼︎動くと刺される‼︎」


安藤くんか、間宮くんの言葉で、私たちは息を止めて自分たちの存在を消しにかかる。


それなのに足元が大きく揺らいだ。


寺脇リカだ‼︎


急に体を起こしたリカに、右半身のバランスを持っていかれたが、危険予測が功を奏した。


「久米さん、ごめん‼︎」


私は咄嗟に、全体重を左足、久米茜の上に移動したのだ。


こんなこともあろうかと、察知していた。


寺脇リカが危ない動きをするに違いないと。


「ちょっとびっくりしただけよ‼︎」


リカが悪びれることもなく言って、また中段化する。


しばらくその背を睨みつけていたが、いつまでも茜1人の背中に乗っているわけにもいかない。そっと体重を移動する。


また何をやらかすか分からない。


気をつけないと__。


向かいのピラミッドも、一旦は崩れかけたが持ち直したようだ。


対ピラミッドから、対蜂へと様相を変えた競技。果たして何と戦えばいいのか?


相手チーム?


蜂か?


それとも__仲間なのか?