「何言ってんのよ⁉︎意味がわからないんですけど‼︎」
「それはあなたの頭が悪いからよ」
「はぁー⁉︎今すぐ屈んで私を壁の向こうに押し上げないと負けるのよ!負けて失格になるっ、それでもいいわけ‼︎」
畳み掛けるように責め立ててくる奈々に、先ほどまでの余裕はない。
奈々が喚(わめ)けば喚くほど、私は取り戻していく。
絶対的な優位を。
「早く膝をつきなさいよ‼︎負けて失格になるわよ‼︎」
「構わないわ」
「はぁ⁉︎」
「だから構わないと言ったのよ。ここで、あなたの目の前で膝をつくくらいなら、負けて失格になるほうを私は選ぶわ」
そう静かに宣言すると、奈々は絶句した。
ようやく、このうるさい女を黙らせることに成功したわけだ。
次は、地に這わせなくては。
「もうこの競技は負けよ。でも投票はあなたの思う通りになるかしら?だって、私と明日香は小学生の頃からの付き合いなのよ。あなたより断然、長いわけだから。要は私とあなた、どっちが上かってことじゃないかしら?」
あえて優しく丁寧に語りかける。
言葉が毒のように回っているのが、今にも泣き出しそうな奈々の表情で分かる。
「なにも頭を踏みつけようっていうんじゃないのよ。私の足を支えて押し上げてくれればいいんだから」
だから、跪きなさい。



