悪魔の運動会



【樋口美咲】


2分の1の確率だった。


白組から女子を2名、選ばなくてはならない。もちろん、立候補なんてしない。自薦も他薦もない。


「私は今回は遠慮しておくわ。無理して出ても、逆にみんなに迷惑かけるだけだから」


けれど辞退は許される。


木崎涼子は悪びれることもなく、選から漏れた。


玉入れではカゴを持ち、最後まで倒れずに踏ん張った功績があるからだ。となると、残りは4人。


「公平にジャンケンね」


立花薫の意見に従うしかなかった。


私も足を痛めてはいたが、もう痛みは引いていた。


どうか勝ちますように__。


ジャンケン、ポン。


__願いは通じた。


私と清水奈々が勝ち、立花薫と伊藤明日香が負けた。


奈々と顔を見合わせ、ホッとしたのもつかの間。


「私、なにも負けた方が出るとは言ってないけど?」


薫が難癖をつけ出した。


「なに言ってんの?そんなのズルいわよ‼︎」


奈々が必死で噛み付くが、ただでさえデカい薫はまったく動じない。


「私は別にいいわよ、出るのは構わない。でもそれでいいの?って言ってるだけ。親切心よ」


「親切心?」


「だってあんた達ふたりとも、印象悪くない?1人は誰かに罪をなすりつけて、もう1人はあからさまに滑ってミスったよね?私は別にいいのよ。ただ、名誉挽回のチャンスじゃないかなって、そう思っただけ。私は別にいいのよ」


嫌味のように繰り返す薫に対し、気がつけば私はこう答えていた。


「私たちが出るわ」