悪魔の運動会



【大野信吾】


チャイム?


学校のチャイムが鳴った。


でも目を開けると飛び込んできたのは、真っ青な空。


どこまでも突き抜けるような空が広がっている。


「イテっ」


体を起こすと、後頭部をさすった。


どっかで打ち付けたような痛みだ。誰かに殴られたのか?


そもそも、どうしてこんな所に寝そべってた?


僕は立ち上がって辺りを見回した。


ジャージ姿のクラスメイトたちが、そこら中に倒れている。


ここは、校庭?


向こうに校舎が見える。


時計があって、きっとあのチャイムが鳴ったんだ。


時間は9時。


朝早く、学校からバスに乗って職場体験に向かった。


それで途中で先生が降りて、それから__。


「美咲?」


僕は呟いた。


この世で1番、大切な名前を。


「み、美咲‼︎美咲‼︎」


樋口美咲の姿を求め、走り回った。


まだ倒れているもの、ちょうど目を覚ましたもの、どういうことなのか答えを欲しがるもの、それらを無視し、ただひたすらに美咲だけを探した。


正直、他のクラスメイトは以外はどうでもいい。


美咲が無事なら、美咲さえ無事なら。


「あ、美咲⁉︎しっかりして‼︎」


倒れていた美咲を抱き起こして揺さぶる。


目を覚まさないなんてこと、あってはならない。


だって僕が、僕が君を守るって___。