悪魔の運動会



【安藤直人】


「それでは始めます。第3競技、玉入れスタート‼︎」


バンっ‼︎という号砲とともに、運動会に馴染みのある音楽が流れ出した。


正直、涼子のことが気になって玉入れどころではないが、その強く揺るぎない眼差しに押しやられ、競技に集中する。


紅い玉を拾い、カゴに向かって投げるのみ。


これがなかなか難しい。


女子にいたっては、とてもカゴの高さまでは届いていない。


「みんな‼︎男女1組になろう。女子は玉を拾って男子に渡す。男子はとにかく投げ続ける‼︎」


「分かったわ‼︎」


すぐに相原が女子に指示を出し、それぞれがペアを組んだ。


俺のパートナーは相原で、次から次へと玉を手渡してくれる。


ただ闇雲に数をこなす。それでも野球部の2人の投げ玉は、確実にカゴの中に吸い込まれていく。


これはいけるんじゃないか?


チラっと涼子を見やる。


なにを思ったか、カゴ役に名乗り出たのは、きっと涼子なりの意味があるはず。


そのことを俺は、すぐに知ることとなった。


「痛っ‼︎」


旬が声を上げた。


カゴを担いでいるはずの、旬がなぜ__?


「あいつら、俺を狙ってやがる‼︎はなからカゴに入れる気なんてないんだ‼︎」


そう吐き捨て、白組を睨みつけた。


最初から、旬を狙っている?