克矢が怪訝そうな顔をする。


「夏男の財布の中に、ポイントカードがあった」


裕斗が早口にそう言う。


あたしと克矢は一瞬目を見交わせた。


ポイントカード……。


裕斗がこんなに焦っているということは、間違いなくラブホテルのポイントカードだったのだろう。


「どこのカードだ?」


克矢が聞く。


「ホテルの……えっと……」


裕斗がスマホを取り出し、何かを確認し始めた。


「これだ、このカード」


そう言ってみせてきたのはカードの写真だった。


「覚える自信がなくて、夏男の目を盗んで写真を撮ったんだ」


「さすがだな裕斗」


克矢はそう言い、カードに書かれているホテルの名前で検索を始めた。