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教室へ戻ると、楠葉と四葉が博正に話かけているのが見えた。


心臓がドクンッと跳ねる。


2人はあたしを介してじゃないと博正と会話をしてこなかったのに、どんどんその距離は近づいて行っているように見えた。


2人に挟まれている博正は嬉しそうに笑っている。


あたしは下唇を噛みしめて自分の席についた。


博正に近づく事ができれば、あたしはきっと用なしだ。


2人から捨てられるのも時間の問題に見えた。


「今日は少し寂しそうな顔してるな」


後ろからそう声をかけられて、あたしは振り向いた。