食べることで涙が止まるなら、安い物だった。


「今日食べた分明日は気を付ければいいんだし」


そう呟いたその時だった。


スマホが鳴りはじめてあたしはビクリと体を震わせた。


楠葉か四葉からの連絡かもしれないと思ったのだ。


さっきまで平気だったのに、また胸の中にモヤが生まれ始める。


甘いジュースをひと口飲んでスマホに手を伸ばした。


メールの内容を確認してみると、それは2人からではなくてひとまず安堵した。


しかし届いていたのは見知らぬサイトからのメールだったのだ。


《新感覚の加工アプリ、今なら完全無料!》


そう書かれていてダウンロードページが貼られている。


「加工アプリならもうダウンロードしてるし」