2人の言っていることは本当なんだろうか?


疑問が胸にもたれかかって来る。


2人があたしにわざと派手なメークをしたなんて、思いたくない。


でも、もしあの顔のまま博正に声をかけていたらどうなっていたか?


そう考えると胸の中には黒いモヤが広がって行く。


「メーク落とし持ってくるね」


楠葉がそう言い、逃げるようにトイレを出た。


「ほんとごめんね。ちょっと派手になってた?」


四葉があたしに微笑みかけて来る。