一瞬、時間が止まったように感じられた。


顔を洗っている途中だったから泣いていたことはバレていないと思う。


でも、2人になんと言えばいいのかわからなかった。


「あ、ごめん言い忘れてた」


四葉が思い出したようにそう言った。


「今日のチークは時間が経つにつれて色が濃くなっていくタイプの化粧品だったんだよ。時々鏡をチェックしてねって言い忘れてた」


申し訳なさそうにそう言う四葉。


「あぁ、たしかそうだったよね」


四葉の隣でうんうんと頷いている楠葉。