すごく大きなポーチで、学生鞄の半分はこのポーチで埋まっていそうだった。


「ありがとう楠葉」


目をとじてメークが終るのを待つ。


いつか自分でもできるようになりたい。


せっかく読者モデルの2人の友達なんだから、教えてもらわなきゃ損だ。


「ねぇ、今度メークのやり方教えてよ」


目を閉じたままあたしはそう言った。


「もちろんだよ。メーク道具とかも教えてあげる」


そう言った楠葉が小さな声で笑ったように聞こえて、あたしは目を開けた。


いつも通りの2人がそこにいる。


「はい、もう直ったから大丈夫」


四葉の言葉に、あたしは頷いたのだった。