☆☆☆

先生のホームルームを聞きながらもあたしは上の空だった。


さっき楠葉からメッセージが送られて来て《今日も博正を誘ってみなよ》と、言われたのだ。


博正は今日はサッカーの練習があると言っていたから、きっと忙しいだろう。


でも、その時は別の日に会えるかどうかさそってみればいいのだ。


そう思うと、もう先生の声なんてあたしには聞こえてこなかった。


今日はどうやって博正に声をかけようか、そればかりが気になってしまう。


博正は朝から眠たそうな顔をしていて、授業中もほとんど突っ伏したままだった。