☆☆☆

学校へ行くのも気が重かったけれど、休んだら四葉と楠葉が怪しんでくるのは明白だった。


あたしはノロノロと着替えをしてどうにか家を出ていた。


今日に限って嫌味なほどに天気がいい。


「雅~!」


いつもより遠くからそんな声が聞こえてきて、あたしは足を止めた。


楠葉がこちらへ走って来るのが見える。


細い手足が折れてしまいそうだ。


「おはよう楠葉」


引く声でそう言うと、楠葉が表情をゆがめた。


「どうしたの? 寝不足?」


「まぁね……」