誘うタイミングが良かったようで嬉しくなる。


並ぶのは大変だけど、博正と一緒にいられる時間が少しでも長くなると思うと、幸せだった。


幼馴染のあたしたちは沈黙だって怖くない。


「あれ、桜井?」


博正がそう呟いたので、あたしは博正の視線の先を見つめた。


買い物袋を持って歩いてくる高校生がいる。


同じ学校の桜井大翔(サクライ ヒロト)だ。


大人しい男子で、あたしはまだ会話をしたことがない。