☆☆☆

廊下へ出ると丁度博正がトイレから出て来たところだった。


視線がぶつかった瞬間、思わずそらせてしまう。


こんなんじゃダメだ。


そう思い直して博正を見た。


「博正」


「なに?」


通り過ぎる寸前で呼び止めた。


心臓がバクバクとうるさい。

「あの……さ……」



頑張ると決めたのに、いざその時になると口ごもってしまう。


顔が急激に熱くなっていくのを感じる。