第三者から見れば、あたしと博正は普段からデートをしているように見えているのかもしれない。


だけど、あたしからすれば全くの別物だった。


「今日だけ、ちょっと頑張ってみたら?」


四葉がそう言い、あたしの顔の前に手鏡を掲げた。


鏡に映るのはやっぱり可愛い女の子で、思わず頬が赤くなってしまった。


自分の姿を見て可愛いと思うなんて、あたしはナルシストなのかもしれない。


「今日の雅ならきっと大丈夫。デートもOKしてもらえるよ」


楠葉がそう言ってあたしの背中を押した。


「そうかな……」