あたしはスマホを取り出して先輩に電話を入れた。


授業中だから出られないと分かっていながらも、執拗に電話を鳴らす。


しばらく待っていると、息を切らした先輩が受話器を取った。


『もしもし?』


声が響いているからトイレにでも駆け込んだのかもしれない。


「先輩お願いがあるんです。今日の放課後会えませんか?」


あたしはそう言ったのだった……。