あたしは桜井君を睨み付けてそう怒鳴った。


「俺のアプリの方が力が強いんだ。君をブサイクにすることだって、俺にはできる」


「あたしは脅す気?」


「そうじゃない。何度も言ってるように人の人生を狂わせるな」


そう言う桜井君にあたしに奥歯を噛みしめた。


こんなことになるなら桜井君と付き合って味方につけておけばよかったんだ。


あたしが復讐するためには、桜井君の可能アプリを削除してしまうしか方法がない。


「じゃあな」


そう言って屋上を後にする桜井君を、あたしは呼び止める事もできなかったのだった。