博正は、メークをしたあたしになにか声をかけてくれるだろうか?


そう思いながら、ゆっくりと近づいていく。


何も言ってくれないかもしれない。


何も反応してくれないかもしれない。


そんな不安が胸の中に膨らんでいく。


けれど、2人のおかげでここまで可愛くなれたんだ。


博正にも見てもらいたかった。


あたしは緊張を押し殺して博正の前に立った。


博正と視線がぶつかる。


その瞬間、少しだけ目を見開いたのがわかった。