以前の楠葉なら、ここまであたしに執着することはなかっただろう。


あたしが可愛くなったからこそ、あたしを憎んでいるのだ。


「なに笑ってんだよ!」


見ているだけだった四葉がそう怒鳴り、あたしの肩を踏みつけて来た。


激痛が体を走り抜けて一瞬気が遠くなった。


踏みつけられた右肩がしびれるように痛む。


もしかして骨折したかもしれないと不安になった。


「あははは! 見てこいつ、泣き始めたよ」


楠葉があたしを指さして笑った。


四葉の笑い声も聞こえてくる。


だけど悔しくはなかった。


あたしが泣いているのは痛いからで、悔しいからじゃない。