そう思っていると、階段の辺りが騒がしい事に気が付いた。


女子たちの悲鳴に近い声が聞こえて来る。


もしかして……!


そう思い、早足で階段へと向かった。


沢山の女子たちが誰かを取り囲むようにして上がって来るのが見えた。


「誰がいるの?」


近くにいた女子生徒にそう聞くと「たぶん転校生だって。すっごくカッコいいの!」と、目を輝かせて言った。


今日転校生が来るなんて聞いていない。


きっと九条君だ。


あたしはゴクリと唾を飲みこんで九条君が上がって来るのを待った。


その間にも女子たちは増えてくる。