あたしがそう聞くと、桜井君は頷いた。


「だけどその私服であの顔はどうかなぁ?」


「え?」


桜井君は自分が着て来た服を見おろして首を傾げた。


灰色のスウェットにブルーのジーンズ。


全然面白くない恰好だ。


しかもスウェットには妙な英語が書いてある。


「ね、今日あたしを誘った予定は?」


「それがあまり決めてなくて……」


「じゃああたしに付き合って」


そう言って、あたしは立ち上がったのだった。