本人の目の前で悪口を言うことはないだろうから。


だけど、一歩遅かった。


あたしの右手がカギに触れた時、四葉の声が聞こえて来た。


「雅変な薬でもやってるんじゃない?」


その言葉にあたしの背中に冷たい汗が流れて行った。


あの時は逃げ道があったけれど、今日はどこにもない。


最後まで2人の陰口を聞かなくてはいけない状況だった。


耳を塞いでやり過ごそうとする自分と、ちゃんと2人の気持ちを知っておくべきだと思う自分がいる。