あたしが痩せたことはあっという間に噂になってしまっていた。


ここまで噂になったことは初めての経験だったので、なんだか胸の奥がむず痒くなった。


ダイエット方法を真剣に聞いてくる子もいたけれど、あたしに教えられる事なんてなにもなかった。


ひたすら、早く1日が終りますようにと祈りながら授業を受ける。


そして休憩時間。


あたしは質問責めから逃げるようにトイレに入った。


鏡を見ると顎がスラッとしている自分がいる。


こうしてマジマジと見て見ると、本当に別人みたいに見える。


顔がスッキリしたからか目が大きくなったようにも見えた。


「よくわからないけど、とにかく今は逃げなきゃね」


あたしは鏡の中の自分にそう言い、トイレの個室に入って固く鍵をかけたのだった。