遅刻して来るとこうなるから苦手だった。


「えへへ、遅刻しちゃった」


誰ともなくそう言いながら、そそくさと自分の席につく。


するとすぐに楠葉が声をかけて来た。


「どうしたの雅!」


「え、なにが?」


楠葉の大きな声に驚いて目を丸くした。


「なにがって、すごく痩せてない!?」


その言葉を合図にしたように、クラスメートたちがあたしの机に近づいて来た。


「そうだよね、あたしもそう思ってた」


「教室に入ってきた時一瞬誰かわからなかったよね」


「すごく可愛くなってる」


次々と声をかけられて、自然と頬が熱くなってきた。