赤くてフカフカの絨毯に目がチカチカしてくる。


「ここがあたしの部屋」


階段を上がってきて一番手前のドアの前で小春ちゃんは立ち止まった。


ドアには『koha』と書かれたプレートがあけてある。


ここだけ少し庶民的に見えてホッと胸をなで下ろした。


あまりにも豪華なお屋敷に、溶けていた緊張が再び蘇ってきていた。


「どうぞ」


そう言われて部屋の中へ足を踏み入れると、西洋のお人形の部屋を思い起こさせた。


花柄とフリルを基調にしているベッドとカーテン。


それでも甘ったるくなっていないのは、他の家具が全部白で統一されているからだった。


余計なものは少なく、思ったよりもスッキリとしている。


「すごく可愛い部屋」


あたしは素直にそう言った。