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小春ちゃんはあたしより一足先に家を出て、あたしは武人君に迎えに来てもらっていた。


武人君の家の車は白いリムジンで、小春ちゃんの家と同じように広々として車内だった。


あたしは隣に座る武人君をチラチラと横目で確認する。


思っていた通りのイケメンだ。


写真で見た以上にカッコいい。


こうして車内に座っているだけで絵になるくらいだ。


「今日の小春も可愛いね」


そう言ってくれたのに、あたしはぎこちない笑顔を浮かべることしかできなかった。


付き合い始めて2年も経っているのに、武人君はちゃんと褒めてくれるのだ。


それからあたしたちは買い物をして、武人君は高級腕時計を購入していた。


「欲しい物があったらなんでも言いなよ」


そう言ってくれたけれど、ちょっとしたものでは数十万円するようなお店に連れてこられて、簡単におねだりなんてできるハズがなかった。