会場内に炎が立ち上り、スプリンクラーが作動する。


「彩愛!」


宏哉の声が聞こえてきてハッと視線を向けた。


こいつ、死んでなかったのか。


そう思った瞬間、体が動いた。


非常口のドアに手をかける。


「彩愛!」


死ねばよかったのに。


あたしは軽く舌打ちをし、会場から脱出したのだった。