「今日バイト先からの帰り道、気になる女性がいて後を追いかけたの。自分でもどうして相手の事が気になるかわからなかったんだけど……その子がミオリだったんだよ」


あたしはそう説明をしても、花音はまだ怪訝そうな顔をしている。


「それだけじゃない。あたしがミオリから少し距離を取ろうとしても、できなかった。足が勝手にミオリについて行くの。通り魔が現れて声を上げようとしても、声もでなかった」


「それじゃまるで、この日記がそうさせてるみたい……」


花音の言葉にあたしは大きく頷いた。


「そうだんだよ花音! きっとその通りなんだよ!」


「本気で言ってるの?」


「だって、そうじゃなきゃ説明が付かない!」


あたしがそう言うと花音はまた日記に視線を落とした。


その表情は真剣なものに変わっている。