「助けて……」


青ざめたミオリが振り向き、そう言った。


頬にはまだフォークが突き刺さったままだ。


これを引き抜けば、きっと沢山血が流れ出る事だろう。


あたしはジッとミオリを見つめた。


これが剛の新しい彼女。


何も知らない、幸せな女。


今は青ざめた顔をしているけれど、きっと剛の腕の中でほほ笑んでいるのだろう。


「お願い……」


ミオリの声が震えている。