公園のトイレに入り、あたしは幸せ日記に書かれているページをすべて破り捨てた。


《剛が元気になりますように》


《剛の笑顔が戻りますように》


まるで絵馬のように書かれていたそれを細かく裂き、汚物入れに捨てた。


剛の幸せを願うことで、周囲の人間の不幸までが取り除かれていたのだ。


「くだらないこと書きやがって」


そう吐き捨てトイレを出た。


空を見上げると太陽が出て、気温が上昇している。


この調子なら積もった雪も溶けて消えることだろう。


ミオリが書いていたかまくら作りなんて、できなくなるに決まってる。


「いい気味」


フンッと鼻を鳴らして公園を出た、その時だった。